住宅ローンを考える上で最も重要なのは、「いくらなら無理なく返済できるか?」ということです!今回は、希望する返済額からどの程度の借入が可能かを検証します。
住宅ローンの借入額を検討する際には、住宅ローンについて vo.2 で計算した年収に対する借入限度額を考慮して、以下の借入額の計算をします。
例えば、
① 希望返済額 毎月払い 8万円 のみ
② 希望返済額 毎月払い 8万円 + ボーナス払い20万円
③ 希望返済額 毎月払い10万円 + ボーナス払い30万円
④ 希望返済額 毎月払い12万円 + ボーナス払い40万円
フラット35の場合は以下のようになります
年収に対する返済率 400万円未満 30%以下
400万円以上 35%以下
2023年6月の最も多い金利は1.76%です。
35年返済で、100万円あたり
毎月払い 3,190円
ボーナス払い 19,195円 となります。
① 希望返済額 毎月80,000円のみ
80,000円÷3,190円×1,000,000=25,078,369円
⇒ 2,500万円(借入可能額)
必要年収の計算
25,000,000円÷1,000,000×3,190円=79,750円
79,750円×12回=957,000円(年間返済額)
957,000円÷0.3(返済率30%)=年収3,190,000円以上必要
② 希望返済額 毎月8万円 + ボーナス払い20万円
80,000円÷3,190円×1,000,000=25,078,369円
⇒ 2,500万円
200,000円÷19,195円×1,000,000=10,419,380円
⇒ 1,040万円
⇒ 2,500万円+1,040万円=3,540万円(借入可能額)
必要年収の計算
25,000,000円÷1,000,000×3,190円=79,750円
10,400,000円÷1,000,000×19,195円=199,628円
79,750円×12回+199,628×2回=1,356,256円(年間返済額)
1,356,256円÷0.3 (返済率30%)=年収4,520,854円以上必要
1,356,256円÷0.35(返済率35%)=年収3,875,018円以上必要
③ 希望返済額 毎月10万円 + ボーナス払い30万円
100,000円÷3,190円×1,000,000=31,347,962円
⇒ 3,130万円
300,000円÷19,195円×1,000,000=15,629,070円
⇒ 1,560万円
⇒ 3,130万円+1,560万円=4,690万円(借入可能額)
必要年収の計算
31,300,000円÷1,000,000×3,190円=99,847円
15,600,000円÷1,000,000×19,195円=299,442円
99,847円×12回+299,442×2回=1,797,048円(年間返済額)
1,797,048円÷0.3 (返済率30%)=年収5,990,160円以上必要
1,797,048円÷0.35(返済率35%)=年収5,134,423円以上必要
④ 希望返済額 毎月12万円 + ボーナス払い40万円
120,000円÷3,190円×1,000,000=37,617,554円
⇒ 3,760万円
400,000円÷19,195円×1,000,000=20,838,760円
⇒ 2,080万円
⇒ 3,760万円+2,080万円=5,840万円(借入可能額)
必要年収の計算
37,600,000円÷1,000,000×3,190円=119,944円
20,800,000円÷1,000,000×19,195円=399,256円
119,944円×12回+399,256×2回=2,237,840円(年間返済額)
2,237,840円÷0.3 (返済率30%)=年収7,459,467円以上必要
2,237,840円÷0.35(返済率35%)=年収6,393,829円以上必要
希望返済額からの金利差による借入可能額の比較(35年返済)
2023年6月現在 フラット35 固定金利 1.76%
三菱UFJ銀行 変動金利 0.345%
① 希望返済額 毎月8万円のみ
(金利1.76%) 借入額 2,500万円 必要年収 319万円以上
(金利0.345%) 借入額 3,160万円 必要年収 320万円以上
② 希望返済額 毎月8万円 + ボーナス払い20万円
(金利1.76%) 借入額 3,540万円 必要年収 400万円以上
(金利0.345%) 借入額 4,470万円 必要年収 400万円以上
③ 希望返済額 毎月10万円 + ボーナス払い30万円
(金利1.76%) 借入額 4,690万円 必要年収 514万円以上
(金利0.345%) 借入額 5,920万円 必要年収 514万円以上
④ 希望返済額 毎月12万円 + ボーナス払い40万円
(金利1.76%) 借入額 5,840万円 必要年収 640万円以上
(金利0.345%) 借入額 7,370万円 必要年収 639万円以上
今回の金利1.76%と0.345%に基づいて計算すると、同じ期間・同じ返済額で 以下のような借入金額の差が生じます。
ケース① 毎月8万円のみの場合で660万円の借入金額の差。
ケース④ 毎月12万円+ボーナス払い40万円の場合で1,530万円の借入金額の差。
従って、同じ希望返済額で できるだけ多くの借入金額が必要とする場合は 金利の低い住宅ローンを選ぶことが重要です。
ただし、金利の動向は誰にも予測できませんので、キャンペーン金利などを活用した低い「変動金利型」や「固定金利期間選択型」を選択した場合、次回の見直し時に金利が上昇している可能性があるため、事前に対策を考慮する必要があります。
今回、金利によって借入額が大きく異なることを理解していただけたと思います。
次回は、住宅のプロの視点から「住宅ローンの借り方の本音と建前」についてお話ししたいと思います。
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